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日本にいて海外のオンラインカジノで遊んだ場合の違法性と処罰性

2018年3月11日

3月10日、海外にサーバーがある会員制オンラインカジノで賭博行為をしたとして、単純賭博容疑で逮捕者が出た。

カジノが海外、遊ぶのは日本国内」というパターンで賭博容疑での逮捕者が出たのは初めてとのこと。

「必要的共犯だからセーフ」は誤りでは?

これまで、日本国内にいて海外のカジノにインターネットでアクセスして遊ぶことについては、

「賭博罪は必要的共犯であって、片方(カジノ運営者)が合法である限り、もう一方についても賭博罪は成立しえない」等々の論がよく見られた。

確かに、ラスベガスのカジノはアメリカの法律に照らす限り合法であり、ハマコーさんも、そこでいくらお金をかけて遊ぼうが、その限りにおいて賭博罪は成立しようがなかった。

オンラインカジノは教科書的にはアウトでは?

ただ、ハマコーさんに賭博罪が成立しなかったのも、ラスベガスのカジノ屋さんに賭博開帳図利罪が成立しなかったのも、その場所が「日本でなかったから」に過ぎず、日本の法律上「違法性がなかった」からではなく、「処罰条件がなかった」からということにならないか。

(ざっくり言うと)犯罪というのは、

①外形上、法文に該当する行為(賭博行為・賭博開帳行為)をし、

②それが「違法でない」とする特別の事情(競馬のように特別法によって合法とされている)がなく

③行為者に責任(能力など)があって

④処罰条件を満たす

・・・と成立する。

共犯たりうるのは?

では、AとBの共犯を問題にする場合、AとBの両方に、上記①~④の要件が揃わないと、A、B両方とも罪に問われないのか?

というとそういうことにはなっていない。

刑法の教科書には、AとBの双方に①(構成要件該当行為)と②(違法性阻却事由がない)が揃っていれば、③(責任)、④(処罰条件)がAに備わっていなくても(この場合、Aには共犯は成立しない)、Bには共犯が成立しうると書いてある。

俗に「共犯の従属性の問題」などと言われている。

当てはめると・・・

まず、カジノ屋さんについては、日本の法律に照らせば、賭博開帳図利罪(刑法186条2項)の行為「賭博場を開張」に該当する(①を満たす)。

また、日本の法律に照らせば、②の要件も満たすことになり(日本の特別法などで許可されているわけではない)、③の要件も勿論満たし、④の要件のみ満たさないことになる(と考えられる)。

一方、そこで賭けごとに興じていた人については、当然、①から④まで満たすことになる。

となると、カジノ屋さんについては賭博開帳図利罪は成立しない(④を満たさないので)が、賭けごとに興じていた人については、単純or常習賭博罪が成立する・・・と考えることができる。

現に逮捕者が出ている以上、もう「必要的共犯だからセーフ」なる論法はやめた方がいいような気がするが・・・

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