工藤彰三議員「いいね」で顕在化?したテロ等準備罪の懸念

2018年3月11日

犯罪の構成要件の不明確さゆえに適法行為が予測できず、冤罪事件を誘発するおそれがあるテロ等準備罪(いわゆる共謀罪)。

そのテロ等準備罪の運用が恣意的になされる可能性が改めて浮き彫りとなる事件が発生。

それが、工藤彰三衆議院議員(自民党所属・愛知4区)の「いいね」。

事の次第

2017年7月1日、場所は秋葉原の公道。

都議会議員選挙の応援演説に駆けつけた安倍総理に対し、一部集団が「安倍辞めろ」等の声を挙げた。これに対し、安倍総理が「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と応援演説中に発言。

これが「全体の奉仕者(憲法15条2項)」に反逆する言動と考えられることなどから問題となっている最中のこと。

ある市民が自身のフェイスブックに「安倍総理の選挙演説を邪魔した『反対者たち』は『政治テロリスト』なのだから!早速(テロ等準備罪を)運用執行すべし」などと投稿。

このフェイスブック投稿に、工藤彰三議員が「いいね」を押したと伝えられている。

懸念が顕在化?

テロ等準備罪法案の審議を巡っては、「一般人は対象にならない」とする法務大臣の答弁に対し、「何をもって一般人とするのか?」という問いかけが当然のごとくなされたが、結局のところ、それが有耶無耶なまま強行採決されたばかり。

公道での「安倍辞めろ」は犯罪?

公道で、時の総理の辞任を求める声を発する・・・これは憲法21条で保障されている表現の自由の範囲内の行為。

勿論、表現の自由といっても無制限に認められるべきいわれはないが、少なくとも、公道での言論について、安倍総理本人に向かって「総理辞めろ」とする趣旨の言論が、安倍総理の「政党の一員としての言論(応援演説)」に劣後されるべきとする理由はないはず。

※クイズ番組で有名な宇治原史規が「演説の邪魔」という部分を切り取って報道したマスコミはフェアじゃないと発言したそうな。でも、この場合、「演説の邪魔」なる見立てが一方から見た主観的評価でしかないため、仮に「演説の邪魔」という文脈でマスコミがこの問題を報じた場合、それは、安倍総理に肩入れする偏向報道ということになる。

このような、「本来保障されているはずの言論」が、「行政の側の都合」によって、「邪魔」「妨害」とされ、もって「テロ」と判断される可能性・・・

懸念されていた典型的な場面で生じた工藤彰三議員の「いいね」は、「誤って押した」ものだそうだが、「なんだ、そういうことだったのか。それじゃ無問題だね」とはならないだろう。

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