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ひふみん(加藤一二三)引退!「感想戦拒否」に理解と感動

2018年3月11日

2017年6月20日(火)、将棋界に一つの幕が下ろされた。

伝説の棋士・加藤一二三元名人(最近の愛称は「ひふみん」)が、第30期竜王戦6組・昇級者決定トーナメントで高野智史四段に熱戦の末敗れ、この瞬間、現役生活の終了が決定。

投了直前、しばしの間退席

終盤、加藤ひふみんが粘りを見せ、もしや、高野四段が困ってるのでは?

と視聴者が思っていたところ、

高野四段は鮮やかな寄せ手順を披露し、あっと言う間に加藤玉を仕留める。

そして、△2八飛と高野四段が「王手」をかけた局面で、加藤ひふみんが突然席を立ち、しばらく戻って来ない・・・という事態が発生。

この間、ひふみん先生が何を思い、何をしていたのかは誰にも分からなかった。

「感想戦はなしで」

戻って来たひふみん先生、席に着くと、記録係の横にいた観戦記者に「後日感想は送りますから、感想戦はナシでお願いいたします」と告げ、「現役最後の一手」となった▲3八角を指し、△3六桂を見届けて投了。

(図から、▲3七玉は、△2七金 ▲同角 △4八飛成で即詰み)

あとは、足早に対局室を出ると、報道陣の横をすり抜け、追ってくる記者たちを振り切るように、待たせてあったタクシーに乗り込み、そのまま初夏の暗がりの中に消えて行った・・・

本来は無礼にもあたる行為が感動を呼ぶ

感想戦(一局の将棋の振り返り)は将棋の礼儀作法の一つでもあるところ、あえて「感想戦なし」で済ませることがたまにあった加藤ひふみん。

もはや、「伝説棋士」ともなれば、それもまた「名物の一つ」ということになるのだろうが、「最後の将棋」でそれをやるとは誰も思っていなかったかもしれない。

そんな、形式的には「無礼」にあたる「感想戦拒否」に対しては、多くの将棋ファンが心中を察し、感動を覚えたようであった。

「胸に来るものがある」「かっこいい」

かつて、こんなにカッコよく現役を去って行った棋士がいただろうか?

世間の目を藤井四段から奪わないための配慮?

あえて深読みをすれば、翌日(6/21)、藤井聡太四段のプロタイ記録となる28連勝がかかった勝負がある。

世間の目を藤井四段から奪わないための配慮だったのでは?

という気がしないでもないのだが・・・

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