ひふみん(加藤一二三)引退!「感想戦拒否」に理解と感動
2017年6月20日(火)、将棋界に一つの幕が下ろされた。
伝説の棋士・加藤一二三元名人(最近の愛称は「ひふみん」)が、第30期竜王戦6組・昇級者決定トーナメントで高野智史四段に熱戦の末敗れ、この瞬間、現役生活の終了が決定。
投了直前、しばしの間退席
終盤、加藤ひふみんが粘りを見せ、もしや、高野四段が困ってるのでは?
と視聴者が思っていたところ、
高野四段は鮮やかな寄せ手順を披露し、あっと言う間に加藤玉を仕留める。
そして、△2八飛と高野四段が「王手」をかけた局面で、加藤ひふみんが突然席を立ち、しばらく戻って来ない・・・という事態が発生。
この間、ひふみん先生が何を思い、何をしていたのかは誰にも分からなかった。
「感想戦はなしで」
戻って来たひふみん先生、席に着くと、記録係の横にいた観戦記者に「後日感想は送りますから、感想戦はナシでお願いいたします」と告げ、「現役最後の一手」となった▲3八角を指し、△3六桂を見届けて投了。
(図から、▲3七玉は、△2七金 ▲同角 △4八飛成で即詰み)
あとは、足早に対局室を出ると、報道陣の横をすり抜け、追ってくる記者たちを振り切るように、待たせてあったタクシーに乗り込み、そのまま初夏の暗がりの中に消えて行った・・・
本来は無礼にもあたる行為が感動を呼ぶ
感想戦(一局の将棋の振り返り)は将棋の礼儀作法の一つでもあるところ、あえて「感想戦なし」で済ませることがたまにあった加藤ひふみん。
もはや、「伝説棋士」ともなれば、それもまた「名物の一つ」ということになるのだろうが、「最後の将棋」でそれをやるとは誰も思っていなかったかもしれない。
そんな、形式的には「無礼」にあたる「感想戦拒否」に対しては、多くの将棋ファンが心中を察し、感動を覚えたようであった。
「胸に来るものがある」「かっこいい」
ひふみん 感想戦なしで去ったのか
ほんと悔しそうに去って行ったんだな— せるふぃ (@Selphish360) 2017年6月20日
加藤先生が投了後すぐに帰った姿は個人的には感動しました。
くやしさを全面に出して無言で去る。
周りに多大な迷惑をかけても一切気にしない。かっこいいと思う。
最後の対局をまったく綺麗に終わらせなかった。
— hantainosansei (@hantainosansei) 2017年6月20日
#shogi 負けた直後、感想戦もせずマスコミに一言も発さず即去っていったひふみん。普段サービス精神旺盛なだけにこの去り方は胸に来るものがあるなあ。お疲れ様でした。これからもご活躍を楽しみにしてます。/加藤一二三 九段敗れて現役引退 https://t.co/xt0ykC1GVj
— まるぼう@先月203万アフィリエイト収入 (@onemorestepyk) 2017年6月20日
ひふみんこと加藤一二三九段が現役引退。感想戦行わずに去るのは僕はかっこいいと思う。これが最後で次はないから必要がない。
フラッシュの嵐の中タクシー乗り込むのも棋士とは思えないオーラを感じます。https://t.co/qQk01Ng2B2— Reona. ex-メアリィ (@meary_reona) 2017年6月20日
感想戦なし 敗者は去るのみ
私は77歳になったとき、こんな風に負けて悔しがることができるほど
意欲的に生きていられるだろうか
加藤一二三九段、ありがとうございました— 雨猫 (@amenohi_nyanko) 2017年6月20日
あっ参りました感想戦なしでと言い残し
颯爽と帰るひふみん
流石の引退試合だった pic.twitter.com/pfcun0QsKm— Rotenep1 (@rotenre2) 2017年6月20日
感想戦は後日とまでコメントしたんだからそれで十分じゃないか。
最初に好きになった棋士がひふみんだった私はそう思う。
— ぶるーD (@BlooD816) 2017年6月20日
かつて、こんなにカッコよく現役を去って行った棋士がいただろうか?
世間の目を藤井四段から奪わないための配慮?
あえて深読みをすれば、翌日(6/21)、藤井聡太四段のプロタイ記録となる28連勝がかかった勝負がある。
世間の目を藤井四段から奪わないための配慮だったのでは?
という気がしないでもないのだが・・・
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